皆さん、こんにちは。
猪苗代町 s様邸の家守りの現場をお伝えいたします。
今回の現場は築25年以上経った住宅リビングの内装を工事します。
時間の経過と共にクロスが汚れやタバコのヤニなどで変色しています。
このビニールクロスを漆喰壁に変更します。
こちらの大きな掃き出しサッシは、シングルガラスで断熱性能が低く、寒い時期の結露がお施主様のお悩みでした。
床板や窓枠が結露によって変色しています。断熱性能が低いサッシは冬時期になると外と室内の温度差で結露を起こします。また窓からの冷気がお部屋の中に入り込む事により、暖房効率も悪くなるので冬場はコストがかさんでしまいます。今回はその対策として木製インナーサッシを取り付けます。
木製インナーサッシとはなんぞや!?ということで説明しますと、
今あるサッシの窓枠に新たな木製窓を取り付けることです。
こちらは以前施工した木製インナーサッシの施工例です。
今ある窓枠に後から取付ができるのでリフォームに最適です。
築年数が経っている建物のほとんどがシングルガラスのサッシです。ペアガラスのサッシに取り換えるためには外壁を剥す手間や、サッシの処分費などがかかります。その点、木製インナーサッシは既存の枠に取り付けられるのでリーズナブルに工事ができます。
素材はツインカーボ。
ポリカーボネートを特殊技術で一体成型した中空構造の素材です。
中が中空構造で空気の層ができており断熱性能がとても高い優れものです。
まず工事にとりかかるのがクロス職人。
現状のクロスを剥がします。築年数が経っていなくクロスの状態が良い場合は剥がさず進めることも可能ですが、今回の場合は築年数が経っていて一部クロスの剥がれもあったので一度全面剥がします。
剥がし終わり、パテ処理をしてから漆喰下地用の壁紙を貼っていきます。
この壁紙は
プラネットジャパン コバウという壁紙です。この壁紙を施工すると下地が均一になりそのまま仕上げ材を塗ることができます。またこの壁紙を貼ることにより下地の強度も上がります。ボードのジョイントなどでおこる壁のひび割れを未然に防ぐことができる優れものです。塗り壁の場合下塗り、中塗りの工程が省かれるのでコストも抑えられます。
貼り終わった状態です。
この状態から1日ほど乾燥させて左官仕上げに入ります。
左官下地用の壁紙が乾燥後、左官職人によって漆喰が塗られていきます。
使用する材料は
プラネットジャパン マーブルフィール。ドイツ漆喰です。
大理石の骨材と石灰を主成分とした自然素材100パーセントの塗り壁材で、左官職人のコテによる多彩なテクスチャーが楽しめます。乾燥後、硬化によりとても頑丈になり、傷や汚れも付きにくいので扱いやすい塗り壁材です。また強アルカリの性質によりカビの発生を抑えるので、浴室にも使用できます。
まずは天井から塗りつけます。施工は
高橋左官さん。マーブルフィールの施工経験が豊富な職人さんです。
天井の仕上げ方法は、コテ波を淡く残して仕上げるようにしました。コテによる仕上げ方法は様々有り、職人さんの感性によっても仕上がりに違いが出ます。佐藤建築店ではサンプルによる確認と実際にある程度塗った時点でお施主さまにご確認をしていただいております。
天井が終わると続いては壁塗りに移ります。
スイスイと一定のリズムで壁に塗られていきます。一定の厚みで、素早く塗られていくこの技は長年の経験と培われた技術からなるものです。
実際塗っている様子です。
動画 2017 03 13 9 38 47.mp4壁の仕上げ方法は刷毛引仕上げ。
壁にホウキで細いいくつもの線をつけていきます。
仕上げのアップです。
刷毛引仕上げは、佐藤建築店で良く使う仕上げ方法です。壁にうっすらと線が見えるこの仕上げは飽きがこなく優しい壁を演出します。
全体が塗り上がりました。
ここから3日から4日程度乾燥させれば出来上がりです。
続いては木製インナーサッシの取付です。
工事を行うのは
江川建具製作所 江川さん。丁寧な仕事と仕上がりの早さに定評のある職人さんです。
今回の現場は杉材で製作していただきました。
窓枠の寸法に合わせて戸を加工していきます。ミリ単位での細かい調整が施されます。
取付完了です。
完成がこちら。
欄間部分にも取り付けました。様々なサイズにも迅速に応えられるのが木製インナーサッシの良いところです。
木製インナーサッシを開けるとヒヤッと冷気が。二重窓で冷気を遮断することにより暖房効率が上がり燃料代の節約につながります。
ついでに別部屋の建具も立て付けが悪かったので直していただきました。造り付け建具はメンテナンスをしながら使えます。一度作ると直しながら長い期間使用できるので、とても経済的です。
壁が全体的に乾き落ち伝いた色になりました。
S様邸のリフォーム工事も完了です。
壁をビニールクロスから漆喰にすることで壁は湿度を調整してくれます。
漆喰は蓄熱の効果もあるので、暖房の熱を溜め込んでお部屋を冷めにくくしてくれます。
木製インナーサッシは断熱性能の向上とともに室内に木の質感が加わります。
経年変化により木肌の色の変化を楽しむことができます。
リフォームをする上で重要なことは性能の向上ももちろんですが、
愛着のわくお部屋作りに重点を置くことも、長く生活する上ではとても大事な事ではないでしょうか。
今回、ご用命していただいたS様。この度はありがとうございました。
ほかにもお家で不便なところや困った所があればなんなりとお申し付けください。
佐藤建築店がご用を御聞きいたします。
佐藤