皆さん、こんにちは。
今回は、テラスの改修工事の模様をお伝えしたいと思います。
ご依頼主のK様から、別荘として使用しているテラスの桁(けた)が折れたので見てほしいとの連絡があり、現場に向かいました。
現場で状況を確認してみると、実際に桁が折れており、桁と梁(はり)の接合部分が外れていました。
桁が折れてしまった理由は、桁を支えていた丸太の柱が腐ってしまったからです。
テラスを建ててから既に20年以上が経ち、だいぶ腐食が進んでいました。
もう少しで倒壊の恐れがあったので早めに気が付いたことが不幸中の幸いでした。
その他にも、床板が傷んでいたり、丸太で製作されていた手すりも腐っていて使用が出来なくなっていました。
そこで、今回は桁と丸太柱を早急に修理し、その他傷んでいる箇所は部材を取り替えながら工事を進めることとなりました。
完成した写真がこちら。
丸太は、一本丸々解体・交換しました。
桁は、部分的に交換してあります。
修理前はちょうど丸太柱の中心で桁がつないであったので、今回は桁のつなぎ目を変えて、丸太柱の加工による欠損を少なくしました。欠損部分が多くなるとそこから水が浸入しやくなります。雪国などではなるべくシンプルにつくることが重要だと考えます。
続いてスロープ部分。
このスロープ部分は、床板の下の骨組み部分は腐れもなく丈夫でしたので、床板のみ解体・交換しました。
床板に使用したのは、タモ。
堅い木で、材料に粘りがある材料です。タモを外部に使うことはあまり一般的ではありませんが、この地域の建物には、けっこう多く使われています。年月が経っている割には傷みや腐れが少なくしっかりとした状態で残っているケースが多いので佐藤建築店ではタモを採用することも多いです。
テラスの床板も交換しました。この部分は骨組み部分が腐っていたので交換して床板を全面的に張り替えました。
こちらも、タモを使用しております。
タモは木目がハッキリしています。着色するとさらに木目が際立ちます。
歩くと、コツコツっと小気味のいい音がして、なんだか気分が上がります。
傷みが激しく、壊れて使用出来なくなっていた手摺も新たにつくりなおしました。杉の丸太を使用しております。杉の丸太の皮をはがし、サンダーをかけて仕上げてあります。
丸太同士の接合部分のアップです。
大工職人が丸鑿(まるのみ)という刃先が円形になっている鑿を使用し加工します。一本、一本丸太の癖をとりながらの仕事になるので手間がかかりますが、丁寧に仕上げていただきました。
階段は踏み板を交換し、下段の方はコンクリートで仕上げました。
踏み板は米松を使用。階段に使う材料は幅が広く、厚みも無いと強度が弱くなります。そこで比較的大きい材が採れ、堅さと粘りがある米松を使用しています。
下段の部分は、腐れが一番ひどい状態だったので木でつくるのはやめ、コンクリートでつくりました。
コンクリートで仕上げることで、雨風、雪にさらされても腐ることはまず無くなり、見た目もスッキリとした印象になります。
お客様の方で、玄関のドアも直してほしいとのご依頼があり、修理いたしました。
杉の柾目材を張って仕上げてあります。
修理する前は、杉の板目材が張ってありましたが、反りが出てきて外れかかっていたので今回は反りが出にくい柾目材を使用しました。経年変化で色が変わっていくのが楽しみですね。
テラスは雨風、雪にさらされるので傷みやすい部分ですので定期的なメンテナンスが必要になってきます。
定期的にメンテナンスをしていると耐用年数も上がります。
どこからメンテナンスをしていいかわからないという方はぜひ一度佐藤建築店に
問い合わせしてみてください。適切な素材と工法でアドバイスいたします。
今回、ご依頼していただきましたK様。
この度は本当にありがとうございました。
また、なにかありましたらいつでもご相談ください。
佐藤