お知らせ

赤松の床板

2015.02.02
皆さん、こんにちは。

先週末はだいぶ天気が荒れまして、会津も雪がかなり積もりました。
2月に入り、いよいよ冬本番です。春が本当に待ち遠しいです。

さて、本日は佐藤建築店で良く使用する赤松(あかまつ)の床板を
ご紹介いたします。

素材 赤松
赤松の特徴は木目が鮮明に出ていて、使い込んでいくと木肌は経年変化により美しい飴色に姿を変えます。また、杉や檜などの針葉樹の中では比較的堅く傷がつきにくい素材でもあります。

素材 赤松
佐藤建築店で使用する赤松はロシア産。
ロシア産の赤松を使用するのには理由があります。

素材 赤松
それは、年輪の細かさです。
上の写真の赤松の年輪を見てみるとすごく細かいのが分かります。
木の価値は樹齢で決まると言われています。年輪の詰まっている、密度の高い木材ほど強度があり狂いも少ない安定した良材といえます。

この赤松はロシアの北緯56度(太陽がわずかしか照らない)でとれる木です。北緯60度以上は北極圏ですので草木が全く生えません。その北極圏に限りなく近い地域で育った木です。

松というと、パインを思い浮かべるかと思います。市場に多く出回っている北欧パインといわれるヨーロッパの北方でとれる赤松は樹齢70〜80年程度。佐藤建築店が扱う赤松は樹齢300年クラスの木です。太陽がわずかしか照らない地域で育つので300年たっても、木の直径はわずか50センチにしか育たない貴重な木です。

そんな赤松・床板の製造工程をご紹介いたします。

素材 赤松

素材 赤松
乾燥前の赤松の床板です。
木材はしっかりと乾燥をさせないと使用しているうちに反りや割れが出てくるので、そうなる前に乾燥を十分に行います。

素材 赤松

写真 2015-02-02 10 03 23.jpg
乾燥後の赤松の床板です。
だいぶ見た目が変わりましたね。赤松の表面についているのは松ヤニです。いわゆる琥珀(こはく)です。

素材 赤松
定規をあててみると、赤松が反っているのが分かります。
佐藤建築店で使う赤松の床板サイズは30ミリ。しかし乾燥前の赤松は42ミリあります。
乾燥機の中で曲がりや反りを出し切り、ヤニを出し、それから表面を削って仕上げていきます。

素材 赤松

素材 赤松
モルダーという機械にいれて加工し、形を成形します。
この時点で、表面についていた松ヤニは取り除かれています。

素材 赤松
節や割れなどが製造過程でどうしても出てくるので、パテで埋めます。節が抜けていたり、死に節があったときは埋木をします。
この作業はひとつひとつ手作業で行われており、全ての赤松の床板をチェックしながら進められています。

素材 床板
完成品です。

素材 赤松
仕上げにサンダーをかけ、厚みを30ミリにそろえてあります。

素材 赤松
実際の長さは4メートルあります。

素材 赤松
乾燥機でしっかり乾燥をしてあるので、反りや狂いがありません。

このように様々な工程を経て赤松の床板は作られています。
無垢材のフローリングは、施行してから違いがわかります。乾燥が不十分だと表面が反ってくる、隙間が開く、ヤニがでてくるなど色々なことが起こります。そうならないためにも佐藤建築店では産地を吟味し、しっかりとした乾燥を施した床板を選定し使用しています。

昔から日本の住宅の床板には松が使われてきました。昔の小学校の木造校舎の床板は全て松でしたよね。松の木は表面の摩擦に大変強い木材で、床板にはもってこいの材種です。

木は適材適所です。木の性質、特徴をしっかりと理解したうえで使わないと「木ちがい」の家になってしまいます。住宅に使う材料にはすべて理由があるので、これからもどんどんそういった情報を発信していきたいと思います。

佐藤